前回までの学習で日本の地理的要素の大まかな部分の学習は終了しました。
しかし、日本の国土は自然環境だけでは成り立ちません。そこに住む、我々日本人が活動しているからこそ、生活が営まれ、産業が生まれるわけです。そして、人口が増えること、また減ることにより様々な問題が発生します。日本の人口も、立派な地理学習の一部です。
特に、時事問題として狙われる可能性が高い分野でもありますので、普段から、日本でどのような問題が起きているのかニュースをしっかり聞きつつ、勉強を進めてゆきましょう。
日本と世界の人口
世界の人口
いきなりですが、世界にはどれくらいの人々が住んでいるか知っていますか?
物知りな人なら、そんなの簡単と答えるかもしれませんね。

世界の人口の変化 グラフ
そして、世界で最も人口が多い国も、ほとんどの人が知っているでしょう。お隣、中国(中華人民共和国)です。そして、2位はインド、3位がアメリカ(アメリカ合衆国)というくらいまでは、やはり一般常識として知っておきたいところです。
世界の人口トップ5と日本の順位を確認しておきましょう。
え?と思われた人も多いかもしれません。日本が上位10位ランキング外に転落しました。最新の統計を見ると、メキシコと僅差で11位となっています。
・世界の人口はますます増加していますが、増加している原因と増加することによる問題点を書きなさい。
答え:
医療の発達、また経済発展で食料事情が改善したことなどにより、アジアやアフリカの途上国で人口が急増している。一方で、人口が増えすぎたことによる、森林破壊、都市の交通渋滞や大気汚染など環境問題が拡大している。また、ますます貧困に陥る地域もある。
この手の出題では、普段から如何にニュースや環境問題に触れているかにかかっています。社会の勉強は教科書が全てではありません。常日頃から、幅広い視野を持って生活してください。
おすすめは、朝日新聞社の朝日小学生新聞(毎朝発行・カラー8ページ・月ぎめ1,769円)
毎日活字を読む習慣をつけるにはもってこいですし、何より時事問題に強くなりますよね。ボリュームもちょうどいいです。是非、検討してみてください。
日本の人口
2019年現在の日本の総人口はおよそ1億2千7百万人です。
もちろん、このような細かい数値を覚えても意味がありません。約1億3千万人と覚えましょう。ただし、日本の人口が1億3千万を超えたことは過去に一度もありません。さて、いきなりですが質問です。
「これから日本の人口は増える?それとも減る?」
答えは当然、「減る」ですね。

日本の総人口の動き グラフ
「増える」と答える生徒は、日本がこれからもまだまだ発展するスゴイ国であるという思い込みがあるように見えますが、戦後日本の成長は止まってしまいました。悲しいかな、日本は既に衰退期なのです。
こういうことを言うと、そんなわけがないと言い張る愛国心のある生徒もいますが、2019年~2020年にかけて、約27万6千人が減少しており、これは戦後最大幅の人口減となっています。江戸時代末期以降、基本的に増加傾向にあった日本の人口ですが、2008年をピークに減少に転じたのです。
・子育ての負担を理由に子どもを持ちたくても持てない家庭が増えています。どのような対策をすればよいのか書きなさい。
答え:
この答えは様々です。是非、家族で話し合って、答えを見つけてください。
※2019年10月から幼児教育・保育の無償化(ただし、補助の上限金あり)が始まっています。しかし、共働き家庭の増加、また保育士の不足から保育施設の数が十分でなく、保育施設に入れない待機児童問題など、日本の子育て環境は大きな問題を抱えています。また一律の無償化ではなく、所得の低い家庭を優遇すべきという声も多くあります。
まとめ
今回は人口の基礎知識ということで、世界の人口と日本の人口の近年の流れを学習しました。
単に今の人口の数値を覚えても何も意味はありません。どうして増えたのか、どうして減ったのか、「何故」という疑問を持つことが大切です。
人口問題は、今の子どもたちにも非常に身近な問題でかつ、重要な問題です。家族での会話のネタとしても、どんどん活用してください。
また、世界には日本と同じように人口が減っている国、逆に増えている国があります。それらにはどんな共通点があるのか、そしてどんな対策をしているのか、夏休みの調べ学習などを活用し、自主的に学ぶのも良いでしょう。