今回から、具体的に日本国内の自然環境に視点を移してゆきます。
都道府県の暗記は基本事項、いわば下地作りです。都道府県の名前、位置がわからなければ、山、川、平野の名前も覚えることは出来ません。今から学習するこれら自然環境についても、漠然と覚えるだけでは意味はありませんし、頭に入ってきません。
最低限、都道府県に上書きしていくことで、位置による区別が出来ます。東北地方にある山、九州地方にある山という具合にです。
そうやって、自分の頭に日本地図を描いてゆくわけですが、それだけでは足りません。山や川、平野にもさまざまな種類があり、さらにそれらがお互いに密接に関わり合っています。それを十分に理解したところで、ようやく地理、自然環境の分野をマスターしたと言えるのです。
ですから、まずは地域別の学習に入る前に、各々の自然現象から見てゆくことにしましょう。今回は山、特に火山とそれにまつわる関連事項について学習します。
プレート
日本人なら当たり前のことですが、日本は地震大国です。当たり前のように小さな地震が発生し、数年に1度は大きな地震に襲われます。
しかし、どうしてこんなにも地震が発生するのでしょうか。
これは理科の範囲とも被る部分ですが、地球を構成するプレート(地球の表面は何枚かのプレートが組み合わさって出来ています)とプレートの境目が日本の周辺に集まっています。プレートは非常にゆっくりとしたスピードですが、移動を続けており、お互いにぶつかり合います。このプレート同士のひずみの反動で地震は発生するのです。
プレートが重なりあって出来た、海底の谷を海溝と呼ぶ。
例)日本海溝・相模トラフ・南海トラフなど。

日本の周辺の4つのプレート
地震発生の仕組み

地震発生の仕組み
※核・マグマ・マントルは理科の用語ですが、社会の試験で出題されることもあります。
フォッサマグナの東の端:柏崎千葉構造線
火山
日本列島は、地球で火山が集中する地域、環太平洋造山帯の一部をなしていて、日本には世界の火山の約10%が集中しています。

火山灰イメージ
地震との関連性もさることながら、噴火による火山灰の堆積は、その周辺の土地に大きな影響を与えます。火山灰は養分に乏しく、水を貯えません。よって、火山灰の降り積もった土地は、農業に向きません。特に水を必要とする稲作は難しくなります。
日本の主な活火山

富士山
浅間山 / 鬼押し出し

十勝岳

桜島

雲仙岳

阿蘇山

日本の主な活火山
まとめ
日本人は古くから、災害の多い日本列島で工夫しながら生活してきました。ただ、山の名前を覚えるだけではなく、その周囲で営まれている人々の生活についても、想像しながら勉強してゆきましょう。
農業など、産業については後に詳しく説明しますが、自然環境あってこその産業です。ここで覚えたキーワードを次につなげていくことで、より効率的な学習となります。何度も同じ単語を繰り返すことで、定着度は格段にアップします。根気よく続けていきましょう。