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鉄道オタクが路線図の知られざる歴史をひもとく

路線図 歴史 運賃表

トレンドはジオグラフィック型へ、路線図の歴史的変遷

普段、何気なく触れている鉄道路線図。この路線図にはデザインで大きく2つの種類に分けることが出来ます。一つは、実際の地理関係を無視し、直線的に示した「ダイヤグラム型」、もう一つは地理関係を考慮して曲線的に描いた「ジオグラフィック型」です。果たして、普段皆さまが目にしている路線図は「ダイヤグラム型」、「ジオグラフィック型」のどちらでしょうか?そして、どちらが見やすいでしょうか?今回は、鉄道路線図の歴史と変遷を紹介します。

 

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より見やすく進化する路線図 私たちの移動に欠かせない存在

通い慣れた区間はさておき、あまり使わない路線に乗るときには、どうしても路線図を探してしまうという経験は、皆さまお持ちではないでしょうか?

路線図

 

電車に乗り慣れている筆者でも、特に東京の地下鉄を利用する際には、念のため確認したくなってしまいます。Google Mapなどのナビアプリが台頭してきた今の時代でも、一目で大きい範囲がわかる路線図は非常に便利です。ビジネスマンに欠かせない手帳にも、必ず巻末か付録で主要都市の路線図が掲載されていることからも、日本人にとって路線図が欠かせないものであることを示しています。

 

それだけ、複雑な路線網が東京首都圏を中心に形成されていることを意味していますが、路線網が拡大すれば拡大するほど、路線図も見にくくなってしまいます。そのため、よりわかりやすいビジュアルを目指して、路線図も日々進化しているのです。一昔前の路線図が家の隅から出てきたら、是非比較してみましょう。路線が今に比べて少ないだけでなく、デザインも全く異なるものかもしれません。

 

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世界で一番古い路線図は?

路線図の歴史も当然、都市部での路線網の発達と密接に関わっています。国土全体の路線図は、それより古くから存在していましたが、路線図とは言え、実際の地図に路線を落とし込んだだけという側面が強いので、今回は除外します。世界で初めて、都市部の路線網の案内に特化した路線図が登場したのは1933年、イギリスのロンドン市交通局が最初と言われています。

 

このとき作成された路線図は、実際の地理関係を無視し、垂直、直角、直線のみで路線を示し、さらに都心の駅や乗り換え路線が多い部分を大きく表示、実際には駅間隔も広がる郊外の部分を逆に小さく表示するなど、従来の地図の概念から脱却したまったく新しいものでした。

「ダイヤグラム型」路線図

 

当初は、賛否両論あったようですが、見やすさ、わかりやすさが評判を呼び、以来、この「ダイヤグラム型」路線図が、地下鉄を中心とした世界各都市の路線図に採用されていくことになりました。なお、このロンドンの路線図を開発した鉄道技術士ハリー・ベックにちなみ、「ダイヤグラム型」路線図はベックマップと呼ばれることもあります。

鉄道技術士ハリー・ベック

「ダイヤグラム型」路線図がさらにブラッシュアップ、そして衰退へ

「ダイヤグラム型」の路線図はある意味、美術的センスを持ち合わせているとも言えます。今でも、このような古い路線図のコレクターや、関連する書籍が発売されていることからもわかります。世界では、その後このダイヤグラム型路線図をさらに抽象化、円と直線のみで示すような路線図も登場しています。しかし、行き過ぎた抽象化は、わかりにくさも生み出します。しかも、路線網が拡大されるほど、見づらくなるという欠点も同時に抱えており、次第に、地理条件を取り入れた「ジオグラフィック型」に置き換えられていくようになりました。

 

「ジオグラフィック型」路線図

より実際の地図に即した表記となり、またその地区のシンボルとなるような施設の位置が書き込まれるようになっています。

 

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日本における路線図の始まりは?

日本で都市部の鉄道路線に特化した路線図が登場するのは、実はロンドンの路線図よりも少し前、1920年代のことです。大正時代には、都市部で私鉄建設ラッシュが続きます。日本の私鉄は鉄道経営だけでなく、沿線の宅地、観光地開発を同時に進めたのが特徴であり、路線図にもそれが大きく表れています。

 

大正時代の路線図

 

ただし、地下鉄網のように入り組んだ路線ではないため、今日の路線図のイメージとは異なるかもしれません。私鉄路線ごとの路線図ですので、各路線の停車駅案内や運賃表に近いかもしれません。さて、このときに作成された路線図は、「鳥瞰図」の手法を取り入れています。路線図というよりも、美術絵画と呼んだほうがしっくりくるかもしれません。鉄道路線網を中心に、都市や山、沿線の名所、旧跡、観光地が半立体的に描かれています

 

駅の窓口の上に掲げられており、それはまるで巨大な壁画でした。今やほとんど目にすることは出来ませんが、2016年1月までは南海電鉄汐見橋駅の改札上に現存していました。

 

撤去前の古い路線図

 

ただし、劣化が激しく撤去、廃棄されてしまいました。ただし、南海電鉄はこれとは別の同等品を保管しているともされており、他の鉄道各社でも、このような歴史的価値の高いものは保存していることも多く、博物館や何かのイベントの折に見ることが出来るかもしれません。

 

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現在の東京の路線図は?

では、現在の東京の地下鉄路線図はどうなっているでしょうか?東京メトロや都営地下鉄が公式に出している路線図は、基本的に「ジオグラフィック型」が採用されています。ジオグラフィックと言えど、もちろん見やすいように加工されていますから、通常の地図とは異なります。都心の複雑なエリアは拡大、郊外は縮小していますので、縮尺も一定ではありません。

 

では、どう違うのかわからないと言う方も出てくると思いますので、古い路線図と比較してみましょう。実は2004年、営団地下鉄が民営化され、東京メトロになる前は「ダイヤグラム型」を採用していました。しかし、民営化され、他社線の情報も詳しく掲載することになったことや、地下鉄路線がさらに伸びたことなどから、「ダイヤグラム型」から「ジオグラフィック型」に切り替わっています。

 

「ダイヤグラム型」には、やはり掲載できる情報量の限界があると言えます。しかし、ある程度の量までなら、「ダイヤグラ型」の方がやかりやすいというのも事実であり、全線を掲載せずに、観光客向けに特化した路線図などでは、「ダイヤグラム型」が採用されている例もあります。また、駅の壁面に貼り出すような大型の路線図は、大きさの制約がないため、地図上にそのまま路線を落とし込んでいるタイプも存在します。

 

 

また、東京ほど路線入り組んでいない他都市の路線図についても、是非目にする機会があったら、比較してみると面白いでしょう。ちなみに、私の持っている手帳付録の路線図は各都市共に「ダイヤグラム型」を採用しています。

 

大阪や名古屋なら、確かにこれで十分なのですが、やはり今の東京の路線を全てこれで表すには無理があるように感じます。

新旧東京地下鉄路線図の共通点とは?

「ダイヤグラム型」の路線図では、とにかく無駄を省いてわかりやすくするというイメージが強く、路線以外の情報は一切書かれていませんでしたが、唯一例外がありました。それは皇居です。網目のように張り巡らされている東京の地下鉄路線ですが、唯一の空白地帯があります。それが皇居です。ですから、路線図を描く際に、空白になってしまったので、書き入れたという可能性もありますが、かつての営団地下鉄の路線図では、この皇居がちょうど路線図の中心になるように描かれてあり、各線の位置関係をよりわかりやすくするシンボルとして、意図してデザインしていたのは紛れもない事実でしょう。

 

 

この部分を無視して路線を描くのとでは、わかりやすさに大きな差が生じるのです。現在の路線図では皇居以外にも、墨田川や東京湾などの地理状況も描かれており、より、実際の位置関係をイメージしやすくなっています。今の感覚からすると、古い路線図は見にくいと感じるかもしれませんが、古い路線図に慣れた世代からすると、あれはあれで、シンプルながら非常に計算されたすばらしい路線図だったと称賛したいところです。

私鉄の路線図は?

ちなみに、東京の地下鉄路線図としては、ほとんど採用されなくなってしまった「ダイヤグラム型」路線図ですが、私鉄の路線図ではまだまだ採用されています。地下鉄のように複数の路線が入り組んだ私鉄はそう多くありませんが、東京の場合なら、東急や西武が比較対象としてちょうど良いでしょう。

 

これらの路線図を見てみると、実際の地図上の位置関係とは大きく異なっているのがわかります。しかし、わかりやすさは、断然この路線図ではないでしょうか。入り組んだ路線網を持つ私鉄と言えば、東武も忘れてはなりませんが、東武の場合、運行エリアがあまりにも大きい為、路線の描きは「ダイヤグラム型」に近いですが、ある程度実際の地理に即した伸ばし方をしています。逆に路線図が間延びしてしまっていますが、わかりやすさを考えれば仕方のないことでしょう。県境の点線が入っているのも特徴的かもしれません。

 

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まとめ

このように路線図は時代と共に変化しています。もちろん、それは歴史的なデザインの流行というよりは、路線網の拡大に伴い、よりわかりやすい図を目指した結果と言えそうです。また、これら2つの地図のどちらかが良い悪いというわけではなく、状況によって使い分けていくことが、より利用者の立場に立った考え方と言えるのではないでしょうか?今後、さらに外国人観光客が増え、またナビアプリケーションが発展していく中で、紙媒体の路線図はどのように進化してくのでしょうか。

 

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