鉄道マニアの常識は世間の非常識?地名のわからない若者が多すぎませんか?
近年、職場で東京で暮らしているにもかかわらず、首都圏の土地勘が無い、地名がわからないという若手社員が多いと感じませんか?営業で外回りに出たりする仕事では結構致命的です。出先での先方とのちょっとした会話でも、やはりその土地のことを知っていると知っていないでは、話の弾み具合も当然変わってきます。実はこういう場面で、鉄道マニアとういのは結構重宝されたりするのですが、路線図を暗記しているのは果たして鉄道マニアだけなのでしょうか。
肌感覚ではありますが、10年、20年前の社会人なら、最低限の路線図は頭に叩き込んでいたと思います。そして、出張するときには時刻表を携え、路線図と睨めっこしていたという人も多いのではないでしょうか。そもそも、時刻表が一家に一冊は置いてあり、知らず知らずのうちに鉄道の路線網と親しんでいたものです。それが、ナビゲーションアプリの台頭で、目的地にはスマホが案内しれくれるようになりました。その結果、駅や路線の面的情報を一目で抑えられなくなり、土地勘の無い若者が増える結果になっていると考えています。
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路線図の基本は山手線
当然、私は社会教師であり、鉄道マニアでもあるため、日本全国の路線図はほぼ頭に入っているわけですが、どうやって覚えたかと言われると、正直わかりません。地図とずっと睨めっこしていたガリ勉タイプでもないため、実際に乗りながら覚えたとしか言いようがありません。しかし、ふつうの人にとって、実際に乗って全て覚えるのは不可能です。
しかしながら、生活圏の半径10㎞~20㎞以内の路線はやはり覚えておいてもらいたいものです。私は東京の西側の住人ですから、どうしても東側の路線にはなかなか馴染みが無く、もちろん何も調べずに経路はわかりますが、主要駅以外の小さな駅などになると、やはり念のために確認が必要になります。もちろん、全駅を覚えろと言っているのではありません。おおよその路線と乗換駅さえ覚えれば、アプリに頼らずとも、ずっと楽に移動できるようになります。そして、その肝となるのは山手線です。
山手線さえマスターすれば、首都圏の主要路線をマスターしたと言っても過言ではありません。
東京の主要路線は山手線から放射状に延びている
では、何故山手線がそんなに重要なのでしょうか。それはまず、誰しもが利用する路線であり、なじみ深く覚えやすいというのがまず最初の理由です。さらに、東京の鉄道路線は大きく分けて2つあり、山手線の各駅から放射状に延びる路線(横軸)、そして山手線のように同心円状に広がる環状路線(縦軸)です。このようなパターンで見ると、東京の路線図は非常に簡単です。
しかし、圧倒的に多いのは前者の放射状に延びる路線です。都心と郊外を結ぶ主要な通勤路線です。これらが山手線のどの駅からどの方向にに延びているかを抑えれば、最低限の路線図はマスターできるのです。古く国鉄時代に、5方面作戦なる言葉が生まれた通り、大まかなこの流れさえ抑えれば、自然と頭に入ってくるでしょう。
山手線を東西南北4つのエリアに分ける
山手線は全部で30駅あります。これを全て覚えてしまえば良いのですが、それが無理な場合は、主要駅を中心に東西南北4つのエリアに分けます。そして、そのエリアごとからどんな路線が郊外に延びているのかを簡単に頭に入れておきましょう。以下に紹介する各路線を私が書きだしたとおりに放射状に伸ばしてゆくと、なんとなく東京の路線図のようなものが出来るはずです。
巨大ターミナルの集まる西エリア、東京西部のベッドタウンへの入り口
山手線の西側にはJRだけでなく私鉄も接続する巨大なターミナルが並んでいます。池袋、新宿、渋谷と、知らない人はいないターミナル駅です。東京西部、神奈川、埼玉西部を結ぶ路線が集まります。
新宿:西武新宿線、JR中央線、京王線、小田急線
渋谷:東急田園都市線、東急東横線
南エリアは羽田、横浜方面へアクセス
山手線南部の代表的ターミナル駅は、ちょっと地味な品川です。品川は唯一地下鉄が乗り入れていないターミナル駅としても知られていますが、羽田空港へは品川から。その他、目黒、五反田といった小さなターミナルも存在します。いずれも神奈川方面へ延びる路線です。
五反田:東急池上線
品川:JR横須賀線、JR東海道線、JR京浜東北線、京浜急行線
千葉方面への玄関口、東エリア
誰もが知る日本を代表する立派なレンガ造りの東京駅、これが東エリア唯一と言っても良いターミナル駅。千葉方面へ延びる路線の乗換駅です。ディズニーランドへも、もちろん東京駅から。なお、近年、つくばエクスプレスが開業しましたので、秋葉原もターミナルに加えています。
秋葉原:つくばエクスプレス線
千葉、茨城、埼玉北部方面へ、下町情緒あふれる北エリア
華やかな都心のターミナル駅ながら、ちょっと雰囲気が異なるのがこのエリアの特徴。歴史的背景から、路線図を書くのがちょっと難しいエリアでもあります。特に東武伊勢崎線は唯一、都内に乗り入れていながら山手線に接していない路線です。山手線に乗り継ぐには北千住で常磐線に乗り換えるか、地下鉄日比谷線経由で上野で乗り換えるかの二択を迫られます。
また、一見池袋から分岐しているように見える埼京線ですが、池袋~赤羽間は赤羽線という山手線の一部のような存在でもあり、埼京線はそもそも東北線の通勤新線という扱いの為、こちらで扱っています。そのため、山手線の駅ではない北千住と赤羽を加えています。
北千住:東武伊勢崎(スカイツリーライン)線
赤羽:埼京線
山手線以外にも存在する!?東京の環状路線
放射状に延びる路線を覚えたら、次は山手線の外側を走る、いわば外環路線です。そんな路線存在するの?というくらい、ちょっとマイナーかもしれませんが、知っていると意外に便利な路線です。実際に環状運転は行っていませんが、わざわざ都心に出なくとも、意外なところでショートカットが可能です。JRではこれらの一部路線を東京メガループという愛称を付けています。
武蔵野線、南武線、横浜線、さらに武蔵野線と繋がる京葉線がそれで、横浜線を除き、かつては貨物線としての性格が強い路線でした。さらに、鶴見~東京貨物ターミナル~新木場間をつないで、武蔵野線はぐるっと1周回す計画もありましたが、今のところ実現していません。しかし、羽田空港アクセス線として建設することが決定し、ぐるっと回る線路が繋がる日は近いと言えます。
東京の縦の移動に便利な外環路線
東京の鉄道はとにかく都心と郊外を結ぶ性格が強い為、先に紹介したような山手線のターミナル駅から放射状に延びる路線がメインになってしまっています。ですから、逆に郊外の駅と駅を南北に移動したいとき、バスに頼らざるお得なかったり、非常に遠回りをさせられるということがしばしば発生します。しかし、東京の市街地が広がったことにより、近年、縦の移動に便利な路線が増えつつあります。これらの乗換駅をマスターしておくと、東京首都圏の移動がますますスムーズになるでしょう。
外環路線JR編
実際に1周回ることは出来ませんが、首都圏の外縁を弧を描くように走る路線です。外側に行けば行くほど、本数が少なくなりますが、放射状路線同士の間をショートカットできる便利な路線です。
横浜線:南武線の西側を南北に結びます
水戸線・両毛線・八高線・相模線:東京首都圏の限界ギリギリをぐるっと回ります
外環路線私鉄編
私鉄路線にも外環路線に分類できる路線があります。もちろん、1周はしていませんが、放射状に広がる路線を串刺しするように結ぶ路線です。とにかく、乗換駅が多いのが特徴です。
京王井の頭線:吉祥寺と渋谷を結びます
東急世田谷線:下高井戸と三軒茶屋を結びます
東急大井町線:二子玉川と大井町を結びます
相鉄線:横浜と海老名、湘南台を結びます
東武野田線:船橋~柏~大宮を結びます
新京成線:津田沼と松戸を結びます
応用編 直通運転をマスターする
東京の鉄道は、相互直通運転が発達していることが特徴です。長距離を乗り換えなしで移動することが出来ます。上に紹介した路線をこの乗り入れルートで結びつけることで、より実用的な路線図が完成します。特に、JR路線同士の直通運転は、半ば一つの路線として運行されているため、押さえておいた方が便利です。
直通運転JR編
南北軸の湘南新宿ライン・上野東京ライン、東西軸の中央~総武線ルートは必ず覚えましょう。
上野東京ライン:東海道線~高崎線・東北(宇都宮)線・常磐線(品川・東京・上野経由)
横須賀線・総武(快速)線:横浜~東京~錦糸町~千葉
中央線各駅停車・総武線各駅停車:三鷹~新宿~お茶の水~千葉
中央線各駅停車~東西線~総武線各駅停車:三鷹~中野~西船橋~三鷹
直通運転私鉄編
私鉄各社はほぼ地下鉄と直通運転を行っています。さらには地下鉄を介して、各路線が繋がっている場合も多いです。これを抑えると、複雑怪奇な地下鉄の路線図もなんとなく覚えることが可能。なお、地下鉄路線図の覚え方については、まず主要乗換駅をおさえればOKです。あとは東西軸、南北軸の路線に分類するだけです。
まとめ
いかがでしたか。裏紙で十分ですから、おおざっぱな路線図を書いてみましょう。正確に書く必要は全くありません。まずは、なんとなく形をイメージして、実際の路線図を見ながら修正をしてみてください。そうすれば、自然と頭に路線図が入ってくることと思います。