この記事では、世界遺産検定の試験日・試験内容・合格率についてまとめています。この資格に関心がある皆さま是非参考にしてください。
「旅行業務取扱者」のような国家資格とまでいかなくても、何か観光系の資格に挑戦したいという人におススメなのが「世界遺産検定」です。「世界遺産検定」は一部の旅行会社のエントリーシートの保有資格記入欄に記載がある他、ほとんどの大手旅行会社で取得することが推奨されています。それだけではなく、大学の推薦入試やAO入試でも「世界遺産検定取得」はアピールポイントとして考慮されています。広い意味で世界地理、世界史の勉強の一環になりますので、公共性の高い資格となっています。
似たような資格に「旅行地理検定」がありますが、出題範囲が広範囲であり、コアな旅行好きにはあっさり解けてしまいますが、一から勉強するとなるとその労力と時間は計り知れないものになります。ですから、旅行初心者や、あまり旅行しないが観光系の資格が欲しい人には世界遺産のみに集中して勉強することのできる「世界遺産検定」をオススメします。もちろん、世界地理や世界史が苦手という人にも、勉強するきっかけづくりとして「世界遺産検定」に挑戦してみてください。
世界遺産検定、
3級ではあるのですが、、、😅
合格しました!本当は2級を取得してから
言いたかったのですが、
MCでつい言っちゃいました🗿笑ずっと気になってた検定だったので
受験できてよかったです🌼次は2級目指して頑張ります!🗽✨#世界遺産検定 pic.twitter.com/xbIWM5J4bP
— 武藤 小麟(AKB48) (@muto_orin) August 9, 2020
それでは、世界遺産検定について紹介していきましょう。
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世界遺産検定の概要・難易度
世界遺産検定はNPO法人世界遺産アカデミーが企画し、マイナビが運営している民間検定です。1級~4級に加えて論述式のマイスター級の5段階に分かれています。世界遺産についての知識・理解を深め、学んだ内容を社会へ還元することを目指した検定試験で、受検料の一部は世界遺産保全活動に活用するためユネスコに寄付されています。
勉強を通じて、世界遺産の保護に役立てることが出来る検定試験です。2006年に始まった比較的新しい検定ですが、既に20万人以上が受験しており、2014年からは文部科学省の後援事業となっています。その他にも、日本旅行業協会、全国旅行業協会などが後援団体として名を連ねています。合格率から鑑みて、4級.3級の難易度は低めですが、1級は合格率20%ほど。難易度は高めです。
受験資格
1級以上は一つ下の級をクリアしている必要がありますが、2級未満なら誰でも挑戦・取得できる資格です。高校生以下なら4級から、大学生以上であれば3級からの受験を推奨しています。
受験の申し込み方法
「WEB申し込み」と「郵送申し込み」の2通りがあります。
①「世界遺産検定」のホームページからマイページにログイン
※未登録の場合は登録が必要です
②必要事項を記入して希望の検定に申し込む
①郵便局またはホームページから願書付きパンフレットを請求
②願書の案内に従って申し込む
世界遺産検定の試験日程と試験内容
試験日程
世界遺産検定は年に4回開催で、年に何度も挑戦でき、非常に受験しやすくなっています。例年3月、7月、9月、12月に実施され、1年間の開催スケジュールは公式ホームページで発表されています。なお、1級とマイスター級は7月と12月のみの開催となります。申し込みはインターネット受付のみで、およそ3か月前から始まり、1か月程度ですので、最新の情報に注意してください。
「1級リスタ」は1級以上を取得後に、再度知識レベルを確認するための受検制度です。
試験内容
試験として国内と海外は分離されていませんが、下位の級になると海外の世界遺産の出題範囲が狭まり国内の世界遺産に重点が置かれています。主な試験内容は、基礎情報、文化的景観、歴史、世界遺産登録基準など。マイスター級では、現状の世界遺産の抱える問題点など時事的な事柄が記述方式で問われます。4級~1級はそれぞれ対応の公式テキストから出題されますので、重要ポイントをしっかり学習すれば合格も簡単です。各級の出題主な範囲は以下の通りです。
級 | 試験内容 | 出題対象 |
マイスター級 | 世界遺産の抱える問題や課題についての受験者の主張を問われます。事がらの丸暗記ではなく、普段から自主的に情報を集め、自分の言葉でまとめておくことが必要。受験には世界遺産検定1級に合格している必要があります。 | 世界遺産全件 |
1級 | 全ての世界遺産。登録基準や遺産同士の横のつながりもテーマ。世界遺産委員会の結果も出題されます。受験には世界遺産検定2級に合格している必要があります。 | 世界遺産全件 |
2級 | 日本の全遺産と主要な世界の遺産300件。基本事項以外に背後にある文化や歴史などのテーマでも出題されます。 | 日本の全遺産 + 世界の代表的な遺産300件 |
3級 | 日本の全遺産と主要な世界の遺産100件。遺産の位置、世界遺産委員会の開催国、審議された日本の遺産も出題されます。 | 日本の全遺産 + 世界の代表的な遺産100件 |
4級 | 日本の全遺産と主要な世界の遺産32件。テキストの赤太字と黒太字を中心に出題。英文に登場する英単語も問われます。 | 日本の全遺産 + 世界の有名な遺産32件 |
世界遺産検定の合格率(合格基準点)
合格点は平均点に関わらず設定されており、4級~2級では60点以上(100点満点)、1級では140点以上(200点満点)、マイスター級では12点以上(20点満点)となっています。4級・3級の合格率はおよそ80%弱とかなり高い一方で、2級では60%程度、さらに1級では20%程度とぐっと難しくなります。とはいえ、受験や就職でアピールしたいのであれば、少なくとも2級以上は取りたいものです。

級ごとの合格者の割合
受験地一覧
1級とマイスター級は7月と12月のみの開催です。あなたの受験する級がいつ開催なのか把握して予定を組みましょう。
世界遺産検定の書籍・参考書・過去問
『世界遺産検定の学科試験勉強用のテキスト・問題集ってあるの?』と悩んでいませんか?こちらでは、世界遺産検定の学科試験を独学で勉強している方に向けて、おすすめのテキストや問題集をご紹介します。各級に対応した公式の参考書及び過去問が発売されていますが、それ以外のテキストは発売されていません。逆に言えば公式の参考書を勉強すれば確実に合格できる(特に4級~2級)のです。試験に出る箇所は黒太字、赤太字で強調されていますので、ここをしっかりおさえましょう。3級くらいまでであれば、1週間程度集中的に勉強すると、およその人は合格できるでしょう。是非参考にしてみてくださいね。
参考書だけでは心配な人は過去問と組み合わせて、定着率を調べて下さい。とはいえ、最新のニュースや時事的な問題は掲載されていませんので、単なる合格ではなく、高得点を目指したい人は、自主的な情報収集や勉強も必要です。
はじめて学ぶ世界遺産50 世界遺産検定4級公式テキスト<第3版>
まだ日本のものを含め、世界遺産について詳しくないという人はまずはここから勉強しましょう。日本世界遺産全てを世界の遺産と対比させながら紹介します。加えて世界の遺産も有名な33件を取り上げています。英語でも日本の遺産を説明できるようにしているのも特徴。ここも世界遺産検定4級の出題範囲です。文字だけでなく、多くのイラストや写真も豊富。検定用の参考書としてのみならず、世界遺産への入門書として最適です。子どもから大人まで楽しめる1冊。
きほんを学ぶ世界遺産100 世界遺産検定3級公式テキスト<第3版>
日本の世界遺産全てと暫定リストを網羅。世界の遺産は100件を掲載しています。うち42件は英語での解説も。歴史の流れに沿って世界遺産を楽しめる内容になっています。4級テキストに比べ、ぐっと情報量が増えた本冊は、文字情報がメインになってきます。ある程度の知識がないと、途中で飽きてくるかもしれません。世界史を学び始めた高校生以上が対象となるでしょう。
くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト<第4版>
日本の世界遺産全てと世界の遺産300件を掲載します。世界の遺産は世界遺産としての横のつながりを学べるようにまとめています。日本の全遺産と世界の24件は英語での紹介も追加。情報量は非常に多いですが、太字部分をしっかり押さえていけば合格も近づきます。学習効果を図るため、過去問との併用で手堅い合格を目指しましょう。
世界遺産検定1・2級公式過去問題集<2020年度版>
合格のために必要な傾向と対策を知ることのできる、公式の過去問題集です。2019年7月、12月実施の1級と、3月、7月、9月、12月実施の2級の検定問題が完全収録されています。問題の傾向と分かるので、自分の不得意な分野の対策、反復学習などに適しています。
世界遺産検定3・4級公式過去問題集<2020年度版>
合格のために必要な傾向と対策を知ることのできる、公式の過去問題集です。2019年3月、7月、9月、12月実施の3級と4級の検定問題が完全収録されています。問題の傾向と分かるので、自分の不得意な分野の対策、反復学習などに適しています。